2022年01月06日

2021年の3冊を選んでみよう(小説編)

2021book

2021年は149冊の小説を読みました。年間120冊が目標なので少し多めですね…自宅で病気療養の期間があったからだと思います。(詳しくはコチラ

入院の…病み上がりのお共になる読書…素晴らしいですね。ただ、一週間弱の入院にハードカバーを6冊持っていったので、かさばる事かさばる事…電子書籍が読めない体質なのが恨めしい…というか読めたとしてもやはり紙の本が好きなのですよね…

ちなみに2021年に発売になった本ではなく、2021年に私が読んで印象に残った3冊です。

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「透明な夜の香り」 千早茜・集英社


【あらすじ】
一香がはじめた新しいアルバイトは古い洋館での家事手伝い。その洋館では調香師の小川朔がオーダーメイドで客の望む「香り」を作る仕事をしていた。

【感想】
千早茜さんの本はデビュー作から読んでいるのですが、この作品はスゥっと心にしみいるような美しい文章が特に際立っていて好きです。冬の夜更けのような静かででも少し寂しい空気それと対比して描かれる丁寧な日常の色鮮やかさ。

調香師、小川朔の人並外れた嗅覚を持つことで生まれた才能と孤独。「香りは永遠に記憶される」という言葉通り、確かに忘れていた事もその香りを嗅ぐと驚くほど鮮明に思い出すことがあるなぁ…と。しみじみとゆっくりとした読書がしたい方にオススメ。個人的には千早さんの「クローゼット」もオススメです。

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「この世にたやすい仕事はない」 津村記久子・新潮文庫


【あらすじ】
ストレスに耐え兼ね前職を去った私に、職安の相談員は親身になって話を聞き「これならぴったりでは」と変わった仕事を紹介してくれた。隠しカメラを使った小説家の監視。町内の巡回バス内で流すというニッチなアナウンスの原稿作り…凄腕相談員は転職を希望する私に次々と一風変わった仕事を紹介してくれるのだが…

【感想】
全く前情報なしで読み始めたので、最初作者さんのリポートだと思って読んでいたんですが途中から何かがおかしいと気づき始め「そんな奇妙奇天烈な仕事…ふふ…次はどんな…?」と夢中になってしまった小説。

連作短編集で、主人公の「私」は色々な仕事を転々とするのですが、本当にある仕事ではない(と思われる)仕事も「こういう仕事あるのではないか…?」と思わせる着眼点の面白さと謎のリアルさ。個人的にこの世界観にハマり始めたのは「バスのアナウンスのしごと」の少し怖くもある不思議感なのですが、一番好きなのは「路地を訪ねるしごと」。どこか不気味でユーモラス。それでいてちょっと哀しい。仕事で煮詰まって読んだら何か答えが見つかる!というわけではないけど「どんな仕事もたやすくはないのだ」としみじみ思えたらもうけもんではないでしょうか。

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「コンビニ兄弟」 町田そのこ・新潮社NEX文庫


【あらすじ】
九州だけに展開するコンビニチェーン「テンダネス」。中でも「門司港こがね村店」は勤勉親切丁寧、それでいて老若男女を意図せず篭絡してしまう店長がいて…


【感想】
デビュー作の「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」で一目惚れ(一読み惚れ?)して以来、ずっと追っている作家さんなのですが「52ヘルツのクジラたち」が本屋大賞を受賞した事で随分有名になりましたね…感慨深い…

町田さんの作品は面白い…だが…重い…!!!割としんどい…生死であったり、虐待であったり、親子関係などの重めのテーマな事が多く、ただ、美しい表現、読みやすい文章なので入り込んで読めるので苦ではないのですが、それだけに読んだ後は心にズーンとめっちゃ響くのです…

そんなわけで読む前は「新作楽しみだ…ただ、心をしっかりして読まないと持っていかれるぞ…」と覚悟してから読むのですが、この作品は「新潮社文庫nex」というライトノベルと文芸の中間的レーベル(最早この垣根あってないような気がするのですが)なためか、大変明るめで読みやすくなっています。それでいて考えさせられるエピソードあり、キャラも立っていてコミカルな部分もありで「こんなライトな感じの作品も書けるのか…!」と感動したものです。

個人的に、ここから町田作品に入り、連作短編集の「うつくしが丘の不幸の家」から52ヘルツ~や「ぎょらん」「星を掬う」へと進むのがオススメでございます。しかもコンビニ兄弟はなんと2021年12月に「コンビニ兄弟2―テンダネス門司港こがね村店―」が発売になりました!続編が出るとは思わなかったので嬉しい…1巻に出てきた人たちが色々な方角からも描かれていますので合わせてオススメです。


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~次点~

鎌倉うずまき案内所 青山美智子・宝島社文庫
 

【あらすじ】
鎌倉で迷い込んだのは双子のおじいさんとアンモナイトがいる「鎌倉うずまき案内所」。訪れる人はそれぞれに悩みを抱え、案内所に迷い込む。平成の始まりから終わりまでの30年を舞台に、6人の悩める人々を通して語られる6つの優しい物語。

【感想】
青山さんの本はとても後味の良い、読んだ後ほんわかした気持ちにしてくれる作品が多いので好きな作家さんです。連作短編集の造りがとてもうまく、今回は一話ごとに時間が遡っていきます。「あれ?このキャラは前の話の…?」と思いつつ、読み終わるとまた戻って「あ、やっぱこの人だったんだ」とぐるぐるうずまきのように読み返したくなる一冊。人生は大変で、でも楽しくて、悩んで、選んで…こんなふうにぐるぐる巡って奇跡的に繋がっているのかもしれません。「ナイスうずまき!」

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「楽園とは探偵の不在なり」 斜線堂有紀・早川書房


【あらすじ】
二人以上殺した者は“天使”によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。細々と探偵業を営む青岸焦は「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱に誘われ、天使が集まる常世島を訪れるが…

【感想】
ここまでミステリが一冊もなかったのでミステリから一冊。とにかく設定が面白いなと思いました。「二人以上殺すと天使に連れていかれる」=「連続殺人が起こらない世界」なわけです。なのに訪れた孤島で連続殺人が起きる…という一風変わった謎解きが見どころ。

何が悲しいって、そうなって殺人事件が減るかと思いきや、破滅願望のある人がテロ的に大量殺人を起こす事件が頻発するようになるという…ありそうな哀しい世界。「天使」の描写が悪魔っぽくて地獄に引き摺り込むならやはり悪魔なのでは…とか「一人ならいいのか」などツッコミどころが多いのが…でもこの作品や「屍人荘の殺人」のように色んな設定のミステリが増えていてミステリファンとしては嬉しい限りです。



以上「2021年に読んで印象に残った本(小説編)」でした。皆様の読書生活に少しでもお役に立てれば幸いでございます。今年ももりもり読むぞ~

ちなみに読了本は全て「ブクログ」に記録してあるので興味のある方はどうぞ~(感想は書いていません)また、「この本も面白いよ!」などオススメの本がありましたらコチラなどからお気軽に教えて頂けますと嬉しい限りでございます。皆様、良い読書生活を!


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